「この土地、水害リスクはどうなの?」——物件探しで最も大切な確認事項のひとつです。
取手市・守谷市は、利根川・鬼怒川・小貝川といった複数の河川に囲まれたエリアです。2015年9月の関東・東北豪雨(鬼怒川決壊)では、常総市を中心に大規模な浸水被害が発生しました。
本記事では、ハザードマップの見方と、取手市・守谷市で確認すべきポイントを宅建士が解説します。
2020年8月から義務化
宅地建物取引業法の改正により、2020年8月28日以降、不動産会社は重要事項説明時にハザードマップを提示する義務が生じました(宅地建物取引業法第35条)。購入・賃貸を問わず、契約前に必ず確認される情報です。
1ハザードマップの種類と確認方法
国土交通省が提供する「ハザードマップポータルサイト」では、複数のリスク情報を重ねて確認できます。
洪水リスク
河川の氾濫により想定される浸水深(最大規模・計画規模)
土砂災害リスク
土砂崩れ・地滑り等の警戒区域(レッド/イエローゾーン)
内水氾濫リスク
下水・水路からあふれる雨水による浸水(都市型洪水)
地震・液状化リスク
地盤の揺れやすさ・液状化のしやすさ
確認できるサイト
・国土交通省 ハザードマップポータルサイト(重ねるハザードマップ)
・取手市公式ホームページ「防災情報・ハザードマップ」
・守谷市公式ホームページ「守谷市防災マップ」
2取手市のリスクエリアと特徴
取手市は利根川・小貝川の流域に位置します。国土交通省の洪水浸水想定区域図によると、市内でも場所によってリスクレベルに差があります。
| エリア | 洪水リスクの目安 | 特記事項 |
|---|---|---|
| 取手駅周辺(西口側) | 比較的低リスク | 台地上に位置する部分が多い |
| 戸頭・井野エリア | 要確認 | 小貝川の影響を受けるエリアがある |
| 取手東・藤代エリア | 要精細確認 | 利根川・小貝川双方の影響圏 |
| 利根川沿い低地部 | 高リスクの可能性 | 最大規模降雨時に浸水想定区域 |
宅建士の視点
同じ取手市内でも地盤の高さ・河川からの距離によってリスクは大きく異なります。駅から近くても低地の場合はリスクが高まります。必ず個別の住所で確認してください。
※参考:国土交通省「洪水浸水想定区域(利根川・小貝川水系)」。実際のリスクは現地・地番での精細確認が必要です
3守谷市のリスクエリアと特徴
守谷市は鬼怒川・小貝川に囲まれた地形です。2015年9月の関東・東北豪雨では、隣接する常総市で鬼怒川が決壊し甚大な被害が発生しました(国土交通省 資料)。
| エリア | 洪水リスクの目安 | 特記事項 |
|---|---|---|
| 守谷駅周辺(中心部台地) | 比較的低リスク | 標高が高い台地部分 |
| みずき野・松前台 | 要確認 | 区画によってリスク差あり |
| 鬼怒川・小貝川沿い低地 | 高リスクの可能性 | 最大規模降雨時に大きな浸水想定 |
守谷市特有の注意点
TX沿線の整備された街並みのイメージから水害リスクを軽視しがちですが、守谷市内でも河川沿いの低地はリスクが高い地区があります。「駅近」「新しい住宅地」だからといって安全とは限りません。
※参考:国土交通省「洪水浸水想定区域(鬼怒川・小貝川水系)」
4ハザードマップ確認の実践的な手順
国土交通省「ハザードマップポータルサイト」にアクセス
「重ねるハザードマップ」を選択し、物件の住所または地番で検索します。洪水・土砂・内水のレイヤーをすべてONにして確認しましょう。
「計画規模」と「最大規模」両方を確認
計画規模(100年に1度程度)と最大規模(1,000年に1度程度)の両方の浸水深を確認します。最大規模では大きな差が出ることがあります。
地盤の高さも確認する
国土地理院の「地理院地図」で標高を確認すると、周辺との高低差がわかります。周囲より高い位置にある土地はリスクが相対的に低くなります。
不動産会社・ハザードマップの両方で確認
重要事項説明書に記載されたハザードマップ情報と、自分で確認した最新のマップを照合することをおすすめします。更新頻度に差がある場合があります。
5リスクがある土地は買ってはいけない?
ハザードマップに色がついているからといって、必ずしも「買ってはいけない」わけではありません。重要なのは、リスクを把握した上で判断することです。
リスクがある土地を検討する場合のチェックポイント
- 1Fではなく2F以上を居室にする(浸水深が50cm〜1m未満の場合は特に有効)
- 保険(火災保険の水災補償)への加入を検討する
- 過去の洪水履歴を市町村に確認する
- 周辺の地形(川との高低差・排水路等)を現地確認する
- ハザードリスクを反映した価格かどうか査定で確認する
宅建士の視点
ハザードリスクがある土地は価格が抑えられているケースがあります。リスクと価格のバランスを含めて判断することが、賢い不動産購入につながります。大切なのは「知らないまま買わない」ことです。
まとめ
ハザードマップは、購入後の後悔を防ぐための大切な情報源です。
参考出典
- ・国土交通省 ハザードマップポータルサイト
- ・国土交通省「洪水浸水想定区域(利根川水系・鬼怒川水系・小貝川水系)」
- ・宅地建物取引業法第35条(2020年改正)
- ・国土地理院「地理院地図」
- ・取手市・守谷市 防災ハザードマップ(各市公式ホームページ)
- ・国土交通省「平成27年9月関東・東北豪雨に関する資料」
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